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ひとりではできない医療を、チームで届けるために


在宅医療の中心にある訪問診療は、単に医師が患者宅を訪れるだけの医療ではありません。生活環境に踏み込み、患者や家族の価値観に寄り添い、看取りまで見届ける「暮らしの医療」です。

医療法人社団貞栄会では、多職種の連携を重視しながら、それぞれの専門性を生かした「動く総合病院」を目指して、日々地域の医療に取り組んでいます。

スタッフとの距離感を縮める“余白”の大切さ

貞栄会では、医師とスタッフの距離を近づけることを大切にしています。
訪問診療は未経験から始める医師も多く、不安や疑問が生じやすい領域です。診療中の連携はもちろん、診療時間外でも声をかけ合い、ちょっとした話を交わせるような関係性が、チームとしての土台になります。

現場の雰囲気を知ってもらうために、随時見学も受け付けています。診療体制だけでなく、スタッフの空気感や人柄にも触れてもらえるよう、リラックスして過ごせる時間を大切にしています。

非常勤からでもスタートできる環境

貞栄会では、非常勤から勤務を始め、常勤に移行する医師も多数います。勤務を通じて現場の雰囲気や在宅医療のやりがいを感じ、自ら常勤を希望されるケースが多くあります。訪問診療に必要なスキルや考え方は、実際の診療を重ねる中で自然と身についていくため、最初の一歩は「まずやってみる」ことが重要です。

専門性を活かせる「動く総合病院」

訪問診療というと内科的なイメージが強いかもしれませんが、実際には皮膚科、整形外科、緩和ケアなどさまざまな分野の知識が求められます。貞栄会では、専門の異なる医師がそれぞれの得意分野を生かしながら診療にあたっています。

専門領域が違っていても、訪問診療の現場では必ず活躍の場があります。
たとえば皮膚疾患、リウマチ、緩和ケアといったニーズは日常的に発生しており、多様なバックグラウンドを持つ医師の存在が、診療の質を底上げしています。

最期まで診るという文化

法人として、基本的には患者さんを最期まで診る方針を掲げています。途中で引き継ぐことが悪いことではありませんが、できる限りその人の人生を最初から最後まで見届ける。
そんな診療のスタンスが、貞栄会の文化として根付いています。

診断力よりも重要な「在宅推進力」

在宅医療の現場では、病院のようなデータや検査に頼ることができない場面も多くあります。その中で求められるのが、「在宅推進力」です。
これは、生活の中にある情報を医学的に読み解く力のこと。

たとえば、患者さんのお宅に行き、ゼンマイ式の壁掛け時計が正確に動いているなら、患者さんは肩が上がる・細かい作業ができる・認知機能が保たれていると判断する。こうした「生活のサイン」を読み解く視点が不可欠です。

病院では水分摂取量を㏄単位で指示できますが、在宅では湯呑み1杯が何㏄かを測り、「今日は3杯までにしましょう」と伝える工夫が求められます。
このように、医療知識を生活に翻訳して伝える力こそ、訪問診療の現場で必要とされるスキルです。

AIやITの活用と診療の質

貞栄会では現在、診療効率を上げるためのAI導入にも注目しています。カルテの音声入力、書類作成、訪問ルートの最適化など、AIによって業務負担が軽減されれば、医師が患者さんと向き合う時間がより確保できると考えています。

ただし、AIはあくまで“診療を豊かにするための補助”。本質的なコミュニケーションや診療判断は、医師自身の人間力が担う部分です。

サポート体制と同行期間

初めて訪問診療に携わる医師に対しては、1~2カ月の動向研修期間を設けています。先輩医師とのペアで診療に同行しながら、在宅医療特有の判断や働き方を学び、徐々に独り立ちしていきます。
独り立ち後も、困ったときには現場からすぐに理事長・内田に連絡がとれるため、孤立することはありません。

夜間対応と主治医としての意識

夜間対応についてはクリニックによって異なります。
本院である静岡ホームクリニックでは常勤医がオンコールを交代制で担当。その他分院では、オンコール専任チームが対応しています。
ただし夜間の有無にかかわらず、主治医として「この患者さんは夜呼ばれるかもしれない」と予測し、夜間帯への引継ぎや情報共有を行う姿勢は求められます。日中の診療が、24時間体制の医療の基盤となるからです。

信頼が高まる医師の特徴

患者さんやスタッフからの信頼が厚い医師は、総じて「よく足を運ぶ」医師です。調子が悪そうなら予定外でも見に行く、迷ったら訪問して判断する。
こうした姿勢は患者さんからの評価に直結し、結果的に診療の質・収益・評価のすべてが上がっていきます。

勤務医の報酬とその先

訪問診療における報酬は、医師としての関わりの深さや信頼関係によって大きく変わります。実際、スタート時の報酬から1.5~2倍に上がっている医師も複数在籍しています。

さらに、貞栄会で経験を積んだ後に独立し、地域でクリニックを開業する医師もいます。その後も相談やアドバイスをし合える関係が続いており、「ここで学んだことが、次のフィールドで生きる」ことを法人としても大切にしています。

応募条件とマインド

貞栄会では、在宅医療のスタイルや理念に共感できるかどうかを最も重視しています。
「どこでもいいから訪問診療をしたい」「自分のやり方でやりたい」というスタンスよりも、法人の考え方に共鳴し、共に歩んでいける医師を歓迎しています。

最後に

在宅医療は、患者さんやご家族と深く向き合いながら、その人の人生に伴走する医療です。どの診療科出身でも、どんな経験でも、すべてが生かされる場所です。
貞栄会では、年齢や科に関係なく、一人ひとりが尊重され、学び合えるチームがあります。

貞栄会の診療に共感し、地域での在宅医療に真摯に向き合いたい方と、一緒に働けることを楽しみにしています。